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アパレルショッピングがバーチャルで可能になる?

2019.07.29

アパレル×VR

バーチャルリアリティーとは?

バーチャルリアリティー(Virtual Reality;VR)は仮想現実ともいわれます。コンピュータの映像・音声などで人間の五感を刺激し、ユーザが架空の環境をリアルに感じられるようにする技術や、その考え方を指します。

近年、「バーチャルリアリティー×ファッション」が注目を集めるようになりました。詳しく見ていきましょう。

ウォルマートから見るバーチャルショッピングの可能性

バーチャルリアリティーをアパレルに活用するとなると、やはりバーチャルでのショッピングに期待が高まります。バーチャルショッピングの開発はアメリカの大手小売チェーン店「ウォルマート」が先進しており、2018年にバーチャルショッピングに関する特許を申請しました。

来店客はヘッドセットとグローブを装着し、3Dのウォルマートストアに入店します。自宅でも店内を自由に歩き、商品を“手に取る”ことも可能。希望の商品はすぐに配送センターから出荷されます。

ウォルマートのバーチャルリアリティー関連の特許申請はこれまでも積極的におこなわれており、バーチャル会議や従業員のトレーニングなど、おもに社内向けの用途でした。ところが今回は、ショッピング体験という顧客向けの用途にシフト。ウォルマートは店舗規模が非常に大きく顧客が買い物しづらい、という背景があったようです。

(MoguraVR News「自宅にいながら店舗を歩く ウォルマート、VRショッピングに関する特許申請」より)

ファッション分野でもバーチャルリアリティー活用が進む

ファッション分野において、バーチャルリアリティーはすでにさまざまなものに活用されています。

「バーチャル試着」でECの服も試着可能に?

バーチャル試着は、実際に着ることなく擬似的に試着できる技術です。SNSで話題になったZOZOスーツは、記憶に新しいのではないでしょうか。

バーチャル試着は衣服の3次元データを利用するので、正面だけでなく側面や背面もカバー。アプリと連動させてデータを測定するタイプ、実店舗でハーフミラーを用いるタイプなどがあります。

企業には、ECサイト利用の拡大、実店舗における試着室スペースの削減などのメリットがあります。顧客も、ECサイトでもサイズがぴったりの服が買えたり、服を着る手間が省けてより多くの服を試せたりします。

(EC-ORANGE「ZOZOスーツなどのバーチャル試着がECサイトにもたらすメリット」より)

多様に活躍する「バーチャルモデル」

バーチャルモデルはInstagramなどを中心に活躍する架空のモデル、デジタルヒューマンのこと。ブランドからのオファーを受けてSNS上で広告投稿をおこなう、いわゆるインフルエンサーの役割を担うものが多いです。

日本初のバーチャルモデルimma(イマ)はファッション情報誌「WWD Japan」で単独表紙を務め、世界初のバーチャルモデルMiquela Sousa(ミケーラ・スーサ)は歌手デビューまで果たしています。

そのような活躍から、「人間にしか見えない」「可愛い、ファッションセンスも好き」と若者を中心にすでに受け入れられはじめています。

(F-MAGAZINE「『バーチャルモデル』の未来。今注目すべき5人のバーチャルモデルたち」より)

SNS投稿用の存在しない服「バーチャルファッション」

バーチャルファッションはおもにSNS投稿用につくられる「存在しない服」で、インスタグラムで活躍するインフルエンサーたちが購入する流れが生まれています。高度なデザインでありながら安価、環境にも優しいというメリットがあります。

ノルウェーを拠点とするファッション会社Carlingsは、2018年11月にバーチャルファッションを集めた「Digital Collection(デジタルコレクション)」の販売を開始しました。価格はおよそ10ポンド(約1,400円)から30ポンド(約4,000円)。購入後は3Dデザイナーが購入者にサイズを合わせ、SNS投稿の際には「自然に映る」よう調整されます。

(MoguLive「インスタ映えする“バーチャルファッション”が話題に。存在しない服を買う理由とは?」より)

バーチャルリアリティー×アパレルのこれから

ECサイト販売やSNSなどに対し、大きな活用が見込めるバーチャルリアリティー。関係性が薄く見えるアパレルとの相性は、案外良いのかもしれません。すでにバーチャルリアリティー×ファッションのコンテンツは数多く現れています。今後は服の閲覧から試着、購入までがバーチャルで完結する店舗や、バーチャルファッションブランドなども登場するかもしれません。

(ライター:中原 愛海)

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