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アップサイクルでサスティナブルなアパレル流通を目指す

2019.07.17

アップサイクルとは?

アップサイクルとは、廃棄物や不良品の形状や特徴を活かしつつ、より良いものにつくり変えること。サスティナブルなものづくりの考え方で、近年はファッションの分野で注目されています。

アップサイクルはリサイクルとなにが違うのか?

リサイクルは廃棄物を回収して原料に戻し、再び使うことです。たとえば、「アルミ缶やスチール缶を溶かしてアルミニウムや鉄に戻す」「古紙をパルプに戻して再び紙にする」などです。元となるものの価値を下げることで消費の循環に戻す、いわば「ダウンサイクル」でした。

一方、アップサイクルはデザインやアイデアという付加価値を与えることで、元のものよりも価値を高めることです。 たとえば、「廃材から家を建てる」「古いタイヤからバッグを作る」などです。

以下では、ブランドや企業のアップサイクルの実例を紹介します。

アップサイクル事例

海外では大手ブランドも参加する「ファブスクラップ」が話題

Fabscrap(ファブスクラップ)は、ニューヨークのファッションデザイナーやブランドから布の切れ端や不要な布を回収。細かく裁断して新しい生地を製造するか、そのまま使えるものは施設へ再販するサービスを提供します。

ニューヨークでファッションの生産時に捨てられる布地の量は、消費者が捨てる量の約40倍にもおよびます。「衣類ゴミ問題解決の手段として、生産者側にアプローチした方が効果が大きいのではないか」という考えからファブスクラップが生まれました。

創設から1年でクライアント数は50以上。なかにはマーク・ジェイコブスやアイリーン・フィッシャー、エクスプレスなど、有名ブランドも含まれています。

(HEAPS「有名ブランドも欲しがるサービス。いまファッションブランドの価値をあげてくれる『布の切れ端、回収します』」より)

ビームス新事業は「アップサイクル」×「オートクチュール」

日本を代表するセレクトショップ BEAMS(ビームス)は、新規ブランド「BEAMS COUTURE(ビームス クチュール)」を立ち上げました。同社が倉庫に抱えていたデッドストック品を、さまざまなクリエイターやブランドと共同して「一点モノ」として蘇らせる事業です。ビームスのオリジナル製品をつくる取引先や、この事業に賛同した他ブランドからも布の切れ端や不良在庫を買いつけています。

「ビームス クチュール」は、ビームスが考えるCSV(共通価値の創造)の一つのかたちと位置づけられています。今後はファッション以外の不良在庫の活用も検討しているそうです。

(VISIONARY「ビームスが新提案する、アップサイクルのおしゃれなカタチ」より)

アーバンリサーチでサスティナブルブランドが誕生

20~30代から支持を集めるファッションブランド URBAN RESEARCH(アーバンリサーチ)も、在庫の服をアップサイクルして販売するサステナブル・プロダクト・ブランド「commpost(コンポスト)」を立ち上げました。

衣料品のアップサイクルは混合する素材を分別するのが難しいですが、今回は「カラー・リサイクル・ネットワーク」と協働して新素材・新製品を開発しました。NPO法人「暮らし造りネットワーク北芝」とも協働し、生産過程では障がい者や就労困難な人、地域住民が携わっています。

将来的には、商品だけでなく社内の備品などにもアップサイクル素材を応用していきたい考えです。

(SUSTAINABLE BRANDS「アーバンリサーチ、在庫をアップサイクルする新ブランド」より)

次々とアップサイクルに乗り出す流れ

廃棄物をアップサイクルする過程で、廃棄するよりもコストがかかり、完成した商品が割高になることも少なくありません。それでもアップサイクルに注目が集まるのは、おそらく、環境への配慮を考える企業が増えているから。また、消費者のエコ意識の高まりによって売れ行きが伸びれば、結果的にコスト高は回収できます。

今後もアップサイクルされたアパレル製品が広がれば、よりサスティナブルなアパレル流通が生まれるでしょう。

(ライター:中原 愛海)

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