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社会
循環型社会実現に向けたファッション業界の取り組み事例
循環型社会とは?
”循環型社会(じゅんかんがたしゃかい)とは、有限である資源を効率的に利用するとともに再生産を行って、持続可能な形で循環させながら利用していく社会のこと。”
出典:Wikipedia
今までは消費を終えた製品が廃棄され再利用されることがなかったため、生産→消費→廃棄の流れが直線的なことからリニア・エコノミー(Linear Economy)と呼ばれる経済活動がメインでした。昨今の地球温暖化や、廃棄物処理・世界的水不足の問題を背景に、一度消費した商品をさらにリユースなどを行うことで、まるで円を描くように循環する経済活動を指す、サーキュラー・エコノミー(Circular Economy)に注目が集まっています。
高度経済成長期の日本社会は、大量採取・大量生産・大量消費によって支えられていました。
しかしその結果として自然資源を大量に使いこみ、大量のゴミを排出することにつながりました。
現在、天然資材は石油を中心に可採年数が算出され、これらの資源は今後確実に枯渇に向かうと言われています。また、廃棄物による環境汚染も深刻な問題となっています。
こうした現状から、天然資源の採取と消費を抑制し、環境への負担をできる限り低減する社会を目指す取り組みが活発になりました。こういった動きは、FINEMAGAZINEで何度か解説しているSDGsの中にも組み込まれています。
関連記事:SDGsとファッション – アパレル業界はどう関わるべきか?
循環型社会実現のために提唱される【3R】とは?
【3R(スリーアール)】とは?
・Reduce(リデュース)……ゴミを減らす
・Reuse(リユース)……繰り返し、長く使用する
・Recycle(リサイクル)……分別し、資源として再生利用する
の3つの総称です。
循環型社会実現のためには、事業者・消費者の両方がこの3Rに取り組む必要があります。
アパレル企業が循環型ファッション・ビジネスに取り組む必要性
関連記事:アパレル廃棄の問題 – 求められるサステナビリティへの取り組み
こちらの記事でもお伝えした通り、アパレル商材の廃棄問題はファッション業界の大きな課題です。
アパレル市場の価格競争をはじめ、それに伴う消費者行動、そしてブランド価値毀損を懸念するメーカーの在庫廃棄。現在のファッション業界が抱えるこれらの問題は、循環型社会の理想とは真逆なのが実情です。
そんな中でも、“エシカル”“サスティナビリティー”をテーマに掲げ、循環型社会成立へ取り組むアパレル企業も増えてきました。
以下では、3つの事例をご紹介しています。
循環型ファッションビジネス事例
『海洋ゴミから“再生”したシューズで大きな価値を提供するアディダス』
スポーツブランドとして業界を牽引する『アディダス』は、海岸で回収されたプラスチックごみをリサイクルし、フィットネスシューズへ生まれ変わらせるという画期的な取り組みを行いました。
このプロジェクトは海洋保護・海洋破壊防止を目指すNGO(非営利組織)との協働で実現しています。
こちらの商品は、2017年は100万足・2018年には500万足を販売するという大ヒット。
デザインや品質とは違う大きな価値を提供し、ユーザーから高い支持を受けています。
参考・引用:Sustainable Brands Japan
『超循環型ジーンズを実現したヌーディージーンズのサプライチェーン』
環境先進国・スウェーデン発『ヌーディージーンズ』は、環境への配慮を徹底したサプライチェーンの構築に取り組んでいます。
具体的には、原料にオーガニックコットンを用いたり、製造工程の中では可能な限り農薬を排除したり、再生可能な資材を用いた工場で生産したりといった施策が挙げられます。もちろん労働者への配慮も忘れません。消費者に対しては無料修理、古着回収に伴うクーポン配布など、廃棄量を減らす働きかけを行っています。
自社の取り組みで他ブランドを刺激したいと語る創業者の1人、パレ・ステンバーグCEOは「消費者がオーガニックコットン製品を選ぶだけで世界は変わる」と提言しています。
参考・引用:WWD
『再販でパートナーブランドの価値を高めるリニューアル・ワークショップ』
有名ブランドのアパレル製品をアップサイクルし、再販することで業界全体にサーキュラーエコノミー(循環型経済)を促すのがリニューアル・ワークショップ社です。
アップサイクルとは、モノをそのまま再利用するのではなく、さらに価値を高めるための加工を施すこと。パートナーブランドから最終在庫を引き取って加工したのち、ブランドタグ下にリニューアル・ワークショップ社のタグをつけて再販します。
この取り組みには廃棄問題の解決や新しい価値の創造、雇用創出など多くのメリットがあるため、パートナーブランドのブランド価値を高める効果もあると言われています。
参考・引用:Sustainable Brands Japan
FINEのRenameも循環型ファッションビジネスの1つ
企業が経済価値を生み出すにあたり、資源の浪費が必要不可欠と考えられていたのは以前の話です。リニアエコノミーと呼ばれる、再利用・再生の不可能な直線的経済活動が現代社会から支持されることはありません。
その事実は近年、有名ブランドの在庫大量廃棄が問題になり、世界各地で不買運動が起こったことからも明らかです。
タグを付け替え、新しい服として再販するFINEのRenameサービスも循環型ビジネスの1つです。
ブランドをクローズして再販することで、ブランドが最も避けるべきブランド価値毀損を回避し、廃棄による環境問題解決の一助になると考えています。
(編集:中原 愛海)
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