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アパレル在庫の廃棄問題ーAIを活用した解決への取り組み

2019.06.12

イメージ近年ファッション業界では、AI(artificial intelligence/人工知能)を活用した消費者向けアプリや業界向けのサービスが次々と開発されています。
人力では成しえない膨大なデータの解析や学習を可能とするAIをうまく活用できれば、ファッション業界が抱える在庫の廃棄問題の解決に向けた大きな前進となりえるかもしれません。

ファッション業界が抱える『廃棄問題』

ブランド価値と企業価値、どちらも考えなくてはいけない時代に

最近は、世界的にESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮した企業活動や投資が求められています。

CSV(=共有価値の創造)とアパレル業界 – ESG投資だけが理由ではない、求められるブランドとしてのあり方

また、企業を評価する基準の1つ、トリプルボトムライン(環境・社会・経済)も大きく提唱されるようになりました。これにより、CSRよりも自社が得意なことを活かして社会に貢献するCSV(企業価値の創造)が重要視されてきています。

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このように社会問題を背景として変化するファッション業界ですが、特に大きなターニングポイントとなったのは、2018年に起こった世界的有名ブランドの大量廃棄問題です。ブランド価値の毀損を回避するための大量廃棄が、企業価値の毀損を生むという深刻な出来事でした。
これをきっかけに、サステナビリティの注目度もより高まったのです。

▼弊社加藤のWeareインタビュー『タグを付け替えて再販、アパレル流通にサステナブルな“Rename”という選択肢』参照

AIの躍進によってファッション業界が期待すること

AI技術は消費者とのコミュニケーションをより深いものにする、つまりエンゲージメントを高めるために活用されるのはもちろん、廃棄問題解決の糸口としても期待されます。

以下では、ファッション業界におけるAI活用の事例をご紹介します。

ファッション×AIで実現するイノベーション

ニュートラルポケットが提供する世界初のアパレルトレンド予測サービス「AI MD」
多くのアパレルメーカーが熱視線を送るのが、AIによる“需要・トレンド予測”です。ニュートラルポケットの「AI MD」は、SNSやファッション関連サイトに掲載されているユーザーの画像2500万枚以上を解析し、需要を予測するサービス。
「AI MD PRO」と「AI MD BASIC」の2つのプランがあり、前者はすべてのデータがリアルタイムで閲覧できる、主に大手向けのサービスです。
トレンドや消費者行動が予測できれば、需要予測が可能になり過剰生産が抑制できるかもしれません。

結果的に、廃棄の削減につながります。
また、マーケティング上の課題も見えてくるのではないでしょうか?

(参考:ニュートラルポケット)

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廃棄ゼロ・残布ゼロに、機械学習を活用した受注生産システム「Algorithmic Couture」

ファッションデザイナー・デザインエンジニア・マシンラーニングエンジニアの3人が手を組んで開発した「Algorithmic Couture」。
3Dスキャンを活用してひとりひとりにフィットした服を作成し、廃棄ゼロを目指す生産システムです。
また、アルゴリズム(機械がおこなう計算)を駆使して、無駄な生地を出さないパターンメイキングも可能としており、ユーザーの好みに応じたカスタムもできます。

(参考:Weare内インタビュー)

上記2つはいずれもファッション業界が抱える廃棄問題解決の糸口となる、画期的な手法です。

このように、AIはファッション業界に対してさまざまなソリューションを提案しています。
こういった新しい技術、アイデアに目を向け、多くの媒体や消費者とコミュニケーションをとることにファッション業界躍進のヒントがあるのかもしれません。

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