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アパレル業界の働き方改革は?国内アパレルメーカーの取り組み事例3選

2018.12.05

image日本経済の再生に向けて最も大きな挑戦である『働き方改革』

働く人の事情や状況に合わせて、労働環境を整備することを推進した政策です。
インターネットの普及・一般化で多くの人が、多様なサービスや価値観を手にしています。働き方も同様です。
そんな中、主に店舗を持つアパレル企業は他の小売業に分類されます。そのため、小売業の特性上、働き方改革が遅れていると言われています。

今回はアパレル業界の働き方改革についてです。実際に働き方改革に取り組んでいるアパレルメーカーの事例3つ紹介します。

小売業界はいつも人手不足?苦戦する人材確保と定着率

まず、小売業は全体的に人手不足と言われています。
しかし、この人手不足は人材確保が難しいという問題もありますが、定着率が悪いという問題もあります。
新卒から3年以内の離職率を見てみると、小売業では就職してから3年以内に退職する割合は高卒で48.8%。大卒も37.7%とサービス業に次いで高い水準です。


▲厚生労働省【新規学卒就職者の離職状況(平成27年3月卒業者の状況】より画像引用

離職率の高さ、人手不足の解決手段の1つとして言われているのが『働き方改革』です。

アパレル業界は『働き方改革』が遅れている?

働き方改革の取り組みにおいて代表的なものが以下の3点です。

①長時間の労働が難しい女性や高齢者の登用など、現在思うように活躍できていない労働力活用のための「労働の一般化
②正規と非正規雇用の格差をなくす「働き方の多様化
③裁量労働制・テレワークなど生産性アップのために考えられた「労働の効率化

店舗はシフト制で早番・遅番と分かれている場合が多く、人手不足に喘ぐアパレル業界では現実的ではないと捉えている方も多いのではないでしょうか。
ワーキングマザーの雇用も、それをカバーする人材が不足していては困難です。また、高齢者雇用も店頭ではブランドイメージの問題で難しいでしょう。
後ほど紹介するセレクトショップのSHIPSでも、売上の問題や残務などで残業が通例化していたと言いますから、自己裁量で働ける環境であるとも言い難いです。

こういった中で、働き方改革をいち早く実行し、従業員の満足度を上げているアパレルメーカーはどういった取り組みを行っているのでしょうか。ピックアップした3社の事例を紹介します。

有名アパレルメーカーが実施する『働き方改革』

SHIPSの残業削減

セレクトショップ『SHIPS』を運営する株式会社SHIPSが取り組んだのは残業の削減。
「残務や、1日の売上目標に達していないから帰りづらい」という意見を元に、どうしたら業務の生産性を上げ、営業時間内に売上目標を達成できるのか考えたそうです。店長とスタッフのコミュニケーション方法を見直し、業務の効率化を実現。残業を大幅削減し、ひとりひとりが私生活を充実させることでトレンドや流行のトピックを知ることができるなど良循環が生まれていると言います。

マッシュホールディングスの女性労働支援

事業内保育園の開園や社内フィットネスジムなど施設の充実に力を注ぐのは『ジェラート・ピケ』などを運営するマッシュホールディングス。社員の約9割が女性という同社は月に1度、ヨガ、ウォーキングなどのアクティビティで美容と健康に向き合う時間を設けています。
2020年までに昇給制度や保育園の設立などに多くの予算を投入。女性が長く働ける環境を整える計画を発表しています。

レナウンの“支える人”をサポ―トする制度

『エンスウィート』をはじめとし、多くのブランドを抱えるレナウンの改革は非常にユニークです。子育てを理由に時短勤務・休日を優先的に取るスタッフを“支える同僚”に手当を出すというもの。「ほほえみサポーター手当」と名付けられたこの改革は、手当をもらう同僚だけではなく、支えられる側の従業員にとっても大きな取り組みです。
また、本社ではテレワーク導入もはじまりました。
2020年には年間休日を増やすことが決まっているそうです。

人手不足に喘ぐ業界こそ働き方改革に取り組み、労働環境を整備、多様な働き方を許容する姿勢が大事です。アパレル業界の課題の1つである人材確保・定着率の上昇は、働く人に焦点を置いた働き方改革にヒントがあるのかもしれません。

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