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社会
「服を洗う回数を減らす」服にも環境にも優しい選択
海外の一部では「服を洗わない」ブームが起きている
2019年7月、人気ファッションデザイナーのステラ・マッカートニーさんの発言に、大きな注目が集まりました。
「特に洗う必要のないものは洗わなくていい」
彼女がこう発言した理由は、大きく2つあります。1つ目は、服を長持ちさせるため。2つ目は、服を洗うことが環境を壊す要因となるため。特に、ポリエステルやアクリルなどの化学繊維を使った服は、洗濯するたびに平均9億個ものマイクロファイバーが外に流出します。そうして、環境に負荷を与えてしまうのです。
しかし、1人の消費者目線で考えると、「服を洗わなくていい」ことは「洗濯の時間や労力が省ける」点でも、すばらしい選択肢ではないでしょうか?
(BBC NEWS JAPAN「『服を洗わないで』ステラ・マッカートニーさんの主張は正しいのか」より)
海外の「洗わない服」事例
まず前提として知ってほしいのは、服の臭いの原因となるのは、バクテリアであること。バクテリアは人間の汗や皮膚の汚れを餌とし、繊維内で増殖します。そのため、バクテリア増殖を抑制する機能が、以下で紹介する「洗わない服」には備わっています。
1ヶ月洗わないTシャツ「Unbound Merino」
カナダ・トロントを拠点とするアパレルスタートアップ「Unbound Merino」は、「洗わなくても臭わないTシャツ」を2016年に販売開始しました。服で荷物がかさばりがちな旅行をより快適にしたい。そんな想いでつくられた製品です。現在はラインアップも増えています。
Unbound Merino Tシャツに使われている「メリノウール」という素材は、濡れてもすぐに空気中へ汗を逃す仕組みになっています。そのため、バクテリアの増殖を抑制し、臭いを防げるのです。
(Unbound Merino公式HP「WHY MERINO?」より)
1週間洗わない下着「SilverTech 2.0」
スウェーデン生まれの洗わない下着「SilverTech 2.0」は、2018年に販売開始されました。下着以外にもTシャツやソックス、タオルなど、さまざまなアイテムが揃っています。
開発を手がけた「Organic Basics」によると、「ポリジン加工」という銀イオンによる抗菌技術で、繊維内のバクテリアの増殖を抑制しているとのことです。
(GIZMODO「えぇぇっっ!デンマーク生まれの『1週間着ていても臭わない下着』がついに日本上陸」より)
2週間洗わない靴下「Brothers Socks」
「Brothers Socks」は2016年にクラウドファンディングにて販売され、目標額の4倍以上の資金を調達するほど大きな注目を浴びました。(2019年11月現在、注文期限は終了しています。)
「Silver-Aroma」という独自技術によって、銀の力でバクテリアの増殖を99%抑制します。素材はメリノウールを使用し、それに「Silver-Aroma」をミックスすることで、温度調節と耐久性にも優れた靴下が完成しました。
(livedoor NEWS「2週間履き続けられる驚異のソックス 独自技術でバクテリアを99%抑制」より)
今後、日本でも「洗わない服」が来る?
紹介した海外の「洗わない服」事例の中で、メリノウールが「バクテリア増殖を抑える機能を持つ素材」として登場しました。
実は、国内アウトドアメーカー「mont・bell(モンベル)」の商品でも、メリノウールは採用されています。(参照:モンベルオンラインショップ)現時点では、温度調節や耐久性など「機能性」に訴求して販売されていますが、今後は「洗う回数の削減」に着目した商品が増えてくるかもしれません。
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