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拡大するサブスクリプション型ファッションビジネス – 米国ファッションレンタル市場のいま

2019.08.26

ユニコーン企業も現れ、先進する米国のサブスクリプション型ファッションビジネス

ここ数年、シェアリングエコノミーに関連した事業が増加しており、アパレル業界でもサブスクリプション型のサービスが増えてきています。中でもファッションレンタルについてはよく耳にするのではないでしょうか。国内では、「メチャカリ」を始め数種類のサービスが次々と展開される中、米国では大型の資金調達でユニコーン入りを果たした「レント・ザ・ランウェイ」がリードし始めました。今回は、先進的に市場を拡大する米国のファッションレンタルビジネスを、サービスをご紹介しながら紐解いてみます。

なぜ今ファッションレンタルが注目されるのか?

①SNSの普及で服の消費サイクルが短期化
SNS投稿のために安い服を短い期間で消耗していく傾向が顕著になり始め、モノを持つより、一度着て楽しむ消費行動が加速してきているようです。

②モノを「共有」することへのニーズの高まり
お手頃に服を楽しむために、ファストファッションなどでたくさんの服を求める消費者はいます。しかし、近年はシェアリングのサービスも増加しているように、モノを「所有」するより「共有」することへのニーズが高まりつつあります。

③レンタルが環境に配慮した消費に
服の廃棄に対する課題も深刻化し、若年層の環境課題に対する意識の高さも見られるようになりました。サステイナブルに関心を持つ人々が国内より欧米では増えており、環境に配慮した消費の選択肢としてファッションレンタルが支持され始めているのではないでしょうか。

米国ファッションレンタルサービス事例

ファッションレンタル市場を先導していく米国のサービス。それぞれの特徴を見てみましょう。

Rent The Runway

2009年に創業し、去年ユニコーン入りを果たしたファッションレンタルサービス。月額159ドル(約1万8000円)で1回に4つのアイテムをレンタルできます。デザイナーズブランドや「GUCCI(グッチ)」などのラグジュアリーブランドを始め、450以上のブランドから好きなアイテムを選べるようになっています。
「Rent The Runway」公式HP

Gwynnie Bee

サイズ展開が幅広いファッションレンタルサービス。カジュアルなアパレルブランドが多く、普段着にも取り入れやすいアイテムを揃えています。1〜10アイテムを月額49ドル〜199ドル(約5,300〜21,500円)でレンタルが可能。アイテム数ごとに月額課金の金額が違うので、必要に応じて調整できる仕組みです。
「Gwynnie Bee」公式HP

ARMOIRE

2016年に創業し、今年は「日常着使いのレント・ザ・ランウェイ」と称されるサービスに。月額149ドル(約16,100円)で1回につき4着借りることができ、借りた服が気に入れば、好きなときに返却できるのが特徴です。また、独自のアルゴリズムにより、ユーザーへのコーディネートの提案もしてくれます。
「ARMOIRE」公式HP

Nuuly

今年ビジネス誌でも話題にあがっている、米国のアーバンアウトドアフィッターズから、2019年夏に展開されるサービス。自社ブランドも含め、他者ブランドもレンタルが可能。月額88ドル(約9700円)で月に6着の服を借りることができます。
「Nuuly」公式HP

世界的拡大が予測されるファッションレンタル市場の今後

このように、米国のファッションレンタル市場からみてもサービスの特徴はさまざま。セレクトのサブスクリプション型〜自社ブランドのレンタルなど、それぞれの商品価格帯やターゲットのニーズに応じたレンタルの形式があるようです。

今後はサステイナビリティへの意識が高まり、便利かつ新しいモノがお手頃に入手しやすくなることから、ファッションレンタルは需要が高まるサービスとなるのではといわれています。実際に、世界のファッションレンタル市場は2017年に10億1000万ドルを獲得し、2023年までには18億5000万ドルに達すると予測されています。(Globenewswireより引用)米国の市場成長が国内のサービスにどのような影響をおよぼすのか、今後の展開に注目です。

 

執筆=峰松 裕子
編集=中原 愛海

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