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オウンドリセールで変わる、“売って終わり”にしないブランドが運営する二次流通
オウンドリセール(ブランドが運営する二次流通)とは
「オウンドリセール」とは、メーカーやブランドが自社製品を回収(または買い取り)・整備し、自社のチャネルで中古品として再販売する仕組みです。運営をブランド自身が担い、品質管理や価格設定、サービス内容までをコントロールできる点が大きな特徴です。顧客の安心感を高めながら、ブランド価値を守り、収益源を新たに確保することが可能になります。
一度市場に出た商品を再販売する二次流通では、リユースショップやフリマアプリなどが一般的です。その中でオウンドリセールは、「ブランドが運営する二次流通」として、アパレル業界で注目されています。
自社販売という点でアウトレットと似ていますが、異なります。アウトレットは未使用品を傷や型落ちなどの理由で割引販売するのに対し、オウンドリセールは整備した中古品を再販する仕組みです。
二次流通業者に任せない、自社運営のメリット
オウンドリセールによる、企業とお客様それぞれのメリットを整理してみます。
《 企業 》
・顧客接点の拡大と収益化
既存顧客との関係を深めながら、新たな顧客層へのアプローチも可能。これまで外部に流れていた中古品の販売利益を、自社の新たな収入源として取り込むことができます。
・ブランド価値の維持
中古品であっても、状態や価格、見せ方を自社で管理することで、ブランドの世界観や品質基準を保ったまま提供でき、顧客にも安心感を与えられます。
・既存チャネルを活かした販売と発信
自社のECサイトや実店舗を活用して展開できるため、低コストで始められます。さらに、環境配慮や循環型の取り組みを自らのストーリーとして発信でき、企業の社会的責任(CSR)の観点からも高く評価されます。
《 お客様 》
・安心して購入できる
ブランド公式の販売だからこそ、商品の状態や本物かどうかに対する不安が少なく購入できます。商品は自社基準で検品・管理されており、外部流通では得られない確かな安心感をもたらします。
・環境への貢献
リセール品を選ぶことは、単に服を安く買うだけでなく、廃棄物を減らし資源を循環させる行動そのものです。自分の選択が環境保全につながり、消費者にとって「リセール品を選ぶ=社会的に良い行動」という新しい価値を提供します。
オウンドリセール事例
SHIPSの公式リユースプロジェクト「SHIPS CYCLE MARKET」
「SHIPS CYCLE MARKET」は、スタッフやお客様のクローゼットに眠る衣料品を検品・メンテナンスし、「SHIPS 認定リユース品」として再販する取り組みです。再販が難しい商品はリサイクルに回すなど、資源循環にも積極的に取り組んでいます。丁寧なメンテナンスで品質を守り、大切な服を次の人へつなぐ。その姿勢から、ファッションの持続可能性を大切にしていることが伝わってきます。
マーガレット・ハウエルの公式リユースショップ「MH RESELL」
「MH RESELL」は、スタッフやお客様がこれまで愛用してきたマーガレット・ハウエルのアイテムにメンテナンスを施し、新たなコレクションとして再び届ける公式リユースの取り組みです。ブランドの根幹にある「長く愛用できるクオリティとつくり」という理念を体現し、こだわり抜いて作られたアイテムが、次のオーナーのもとへ引き継がれていく循環を生み出しています。新しいコレクションのすぐ隣に“戻ってこられる場所”として、このリユースが機能していることを目指しています。
Patagonia の循環型プログラム「WORN WEAR」
「WORN WEAR」は、Patagoniaが展開する、衣類やギアを長く大切に使うための循環型プログラムです。2024年には日本国内で買取サービスがスタートし、不要になった自社製品を買い取り、整備して再販する取り組みが本格化しました。リユース品として次の人へつなぐだけでなく、リペア(修理)やアップサイクルにも取り組み、製品の寿命を延ばす仕組みを構築しています。
製品の循環を支える「バイバック保証」
オウンドリセールとあわせて注目されているのが、リベロント社が2025年6月に正式ローンチした「バイバック保証」です。これは、購入した商品を一定期間内であれば、あらかじめ設定された価格でリベロント社が買い取る仕組み。保証があることで消費者は製品を手に取りやすくなります。回収された製品はリセールされることで、次の人へとつながっていきます。廃棄を防ぎ、製品を循環させる新たな仕組みとして注目されています。
オウンドリセールは“次につなぐ”責任ある選択肢へ
リペアや再販を通じて、誰かの愛用品が次の人へとつながっていく流れは、ブランドとお客様の信頼関係を深めるきっかけとなり、長期的な関係性づくりにも貢献します。
さらに「バイバック保証」のような新たな仕組みは、製品の循環につながり、消費の在り方に変化を与えます。
これからのものづくりは、「売る」だけでなく、「どう使い続けてもらうか」までを考える時代へ。オウンドリセールは、そんな未来のスタンダードをつくる一歩かもしれません。
単なるサステナブルな取り組みにとどまらず、ブランド自らが製品のライフサイクルに責任を持つオウンドリセールは、「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」としても確立されつつあります。
サーキュラーエコノミー推進のための、在庫再販パートーナーFINE
FINEは、新品に特化した二次流通によってサーキュラーエコノミーを推進しています。アパレル企業から買い取りした新品在庫を、ブランド毀損のない適切な方法で再販。余剰在庫を“資源”と捉え、まだ必要としている人へと届けています。
在庫買取はアパレル企業の資源を再循環させる、最もシンプルなサーキュラーエコノミーだと考えています。“売って終わり”にしない。FINEが目指すアパレルに特化したリセールのかたちです。
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