二次流通とは？

二次流通とは、一度市場に出た商品が再び販売されること。一般的には中古品の売り買いを指し、古着屋さんや古本屋さんが身近な例として挙げられます。しかし、消費者の手に渡っていない新品のものも、再び市場に出れば「二次流通」と呼ぶこともあります。（Renameがその例です）

最近はこの二次流通に注目が集まっています。その根拠として、次に述べる二次流通市場の成長があります。

二次流通の市場規模

2017年の二次流通市場の規模は、前年比12.3%増の1兆9932億円。2桁の市場成長は2011年の10.0%以来、6年ぶりのことだそう。なかでもアパレル（衣料・服飾品）の割合は、46.8％と圧倒的に高い結果でした。

今回の市場成長を支えたのは、事業者のネット販売とフリマアプリの存在で、特にフリマアプリのようなCtoC業態はこれからも拡大していく見込みです。
（リサイクル通信「《データでみるリユース市場　最新版》中古市場２兆円時代に　ネット市場がリアルを超える」より）

米国発の洋服フリマアプリ「ThredUP」の2019年版Resale reportによると、「米国内のアパレル二次流通市場は約5年で2倍にまで成長し、2028年までにはファストファッションのほぼ1.5倍になる」という予想もされています。

代表的なアパレルの二次流通企業・サービス

アパレル業界の代表的な二次流通企業や二次流通サービスについて、いくつか紹介します。

RAGTAG

デザイナーズブランド専門のユーズド・セレクトショップ「RAGTAG」。憧れのブランドをリーズナブルな価格で提供します。5000種類を超えるブランドを取り扱っており、ユーズドとはいえ人気ブランドの品揃えは豊富です。

2nd STREET

「2nd STREET」は全国600店舗以上の実店舗を有しており、特に馴染みがあるリユースショップではないでしょうか。衣料品だけでなく、バッグを中心としたハイブランド品や家具家電まで、幅広い種類の商品を取り扱っています。

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以下は、二次流通に特化したスマホアプリサービスです。

キャッシュ

アイテムを一瞬でキャッシュに変える質屋アプリ「CASH」。アイテムの写真を撮るだけで査定金額がわかり、金額に納得したらキャッシュに変える。その後、2週間以内にアイテムを送るという画期的な仕組みです。

メルカリ

「メルカリ」はスマホで誰でも簡単に売り買いが楽しめるフリマアプリです。もともと若い世代の女性に人気なサービスでしたが、いまや男女・年齢関係なく幅広い利用者が存在する、日本最大のフリマアプリサービスとなりました。

一次流通企業も二次流通に本腰を入れている

二次流通企業・サービスが続々と現れるなか、二次流通事業に新しく乗り出す一次流通企業もあります。

ZOZO

ZOZOはファッション通販サイト「ZOZOTOWN」のほか、ブランド古着のファッションモール「ZOZOUSED」とブランド古着の買取「ZOZOTOWN買取サービス」の2つの二次流通サービスも展開しています。ZOZOUSEDの2018年度売上高は前年より24％伸びており、売上は好調と見られています。
（リサイクル通信「ZOZOUSEDの売上高が24%増の159.9億円に、下取りサービスで仕入れが好調」）

ベクトル

「ベクトルパーク」、「フクウロ」などのブランド古着リユース事業をおこなうベクトルは、一時流通業者向けにリユース事業のノウハウ・システムの提供を開始しました。これに当たって結成した「日本ファッションECリユース連合会」には、新たにアパレルメーカーや商社、SCなど一次流通の9社が集まりました。（2019年2月時点）
（リサイクル通信「ベクトル、1次流通にノウハウ提供」）

一次流通の味方にもなれる二次流通は、今後も拡大の見通し

二次流通によって消費行動が左右される場面は多くなりました。たとえば、「メルカリで売る」前提で服を買うとなると、実質払うお金は購入額より安くなります。つまり、二次流通の存在が消費者の購買意欲を後押しするのです。にもかかわらず、小売全体の消費高に対して二次流通の取扱高はわずか1％。二次流通は、今後も拡大の余地がある業界だと考えられます。
（GLOBIS知見録「二次流通、D2Cによる「小売」成功の秘訣とは？～メルカリ小泉×ヤフー小澤×マルイ青井×gumi-gumi軍地」）