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社会
海はプラスチックごみであふれている?廃棄物削減を目指す企業のサステナブルな取り組み
プラスチックごみであふれる海の現状
私たちが普段なにげなく使っているプラスチック。丈夫なうえ安価なため、さまざまなところで重宝されています。しかし、現在使われている大半は使い捨てプラスチックであり、その多くはきちんと処理されずに環境中に流れてしまいます。そして、最終的に行きつく先は海です。
海に流れ込んだプラスチックごみにより、多くの海洋生物が傷つき、死んでいます。実際に、鼻にプラスチック製のストローが刺さったウミガメが発見され、話題になりました。
(NATIONAL GEOGRAPHIC「鼻にストローが刺さったウミガメを救助」より)
このような現状を少しでも良くするために、企業はごみ問題とどのように向き合っているのでしょうか。
フード業界の取り組み
大手スターバックスがプラスチック製ストローを廃止し、紙製に
スターバックスは2020年末までに全世界の店舗でプラスチック製の使い捨てストローを廃止することを発表しました。日本では今年から紙製ストローの導入が進められています。
また、マイタンブラーを持参してドリンクを注文すると、取り組みに協力したお礼として20円値引きされます。
(BBC「スタバ、プラスチック製ストローを廃止 2020年までに」より)
アメリカのサラダ専門店では、容器を返してキャッシュバック
ニューヨークでチェーン展開する「Just Salad」は、繰り返し使える容器を導入したことで年間約34トン以上のプラスチック削減に貢献しました。同社のサラダを取り扱う自動販売機では、食べ終わった後の容器を自販機に戻すことで、2ドルのキャッシュバックを受け取ることができます。
(IDEAS FOR GOOD「容器を戻して2ドル割引。NY発、環境にも健康にも優しいヘルシーフード専用自動販売機」より)
人気カフェBlue Bottle Coffeeを含むサンフランシスコのカフェが一斉に取り組みを開始
日本にも進出し人気を集めている「Blue Bottle Coffee」を含む、サンフランシスコに所在するカフェが協同して、そもそも廃棄物自体を無くそうと、取り組みを始めました。紙製も含めた使い捨て容器の使用を全て廃止することを決定したのです。テイクアウトする際は、マイボトルを利用してもらうか、お店の容器をレンタルするシステムをとり、お店からでるゴミをなくそうとしています。
(People「San Francisco Cafes Including Blue Bottle Coffee Are Banishing Disposable To-Go Cups」より)
ファッション業界のアプローチは?
アディダス
アディダスは海洋保護団体「PARLEY」と手を組み、海から回収したプラスチック廃棄物で作ったスポーツウェアやシューズを展開しています。
(プラスチック廃棄物から作られたスニーカー、引用:ADIDAS「プラスチックがもたらす悲しい結末」より)
店舗で配布しているショッピングバックは、ビニール製から紙製へ完全にシフトし、ビニール製バックの配布枚数を年間約7,000万枚削減することに成功しました。
また、2019年6月には直営店に「コレクターズ・ボックス」を設置し、ブランドを問わず使用済みの衣料品や靴などを回収しています。それらを別製品に作り変えるなどして、ゴミを出さない循環システム作りを開始しました。
(FASHIONSNAP.COM「アディダス直営店に製品をリサイクルする回収箱を設置、新たなサステナブル戦略が始動」より)
パタゴニア
パタゴニアがポリエステル繊維に使用している素材は、使用済みのペットボトル等のプラスチック廃棄物から作られています。製品に使われる全素材のうち、リサイクル生地は2019年秋時点で69%ですが、2025年までに100%にするという目標を掲げています。
(Patagonia「プラスチック問題についてパタゴニアが行っていること」より)
また、廃棄物問題に対して企業ができることは、高品質な製品をお客様に提供し、それを長持ちさせてもらうことだと主張しています。2011年には「DON’T BUY THIS JACKET(このジャケットを買わないで)」という広告が掲載され、注目を集めました。大量に消費するのをやめ、一度買ったモノを大切にしようという消費者へのメッセージが込められています。
(「このジャケットを買わないで」と書かれたパタゴニアの広告、引用:Patagonia「Don’t Buy This Jacket, Black Friday and the New York Times」より)
パタゴニアは新商品開発に限らず、買って捨てるという文化を変えるべく、リペア(修理)やリユース事業にも注力し、商品の寿命の長期化を図っています。
私たちにできること
プラスチック問題に声を上げ、取り組む企業は増えています。こうした企業の訴えに耳を傾け、私たちは消費行動を見つめ直す必要があります。一人ひとりが廃棄物に対して意識を持つことで、プラスチックごみ削減に繋がり、再び綺麗な海を取り戻すことができるかもしれません。
執筆=滝 真由子
編集=中原 愛海
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